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大阪随一の大人の町・北新地の“らしさ”を探る

大阪で遊ぶとしたら、まず「キタ」にいくのか「ミナミ」にいくのか、というところから旅のプランは始まります。といっても、このエリア分けに明確な定義はないといいますから、少々ややこしいかもしれません。まずは、そのルーツをひも解きましょう。

街のルーツはキタもミナミも江戸時代

「ミナミ」は区で言えば中央区、駅でいうと難波駅や心斎橋駅周辺で、ネオンサインが眩しい道頓堀やレトロな風情を感じられる通天閣周辺など、ザ・大阪なイメージを堪能できる観光スポットがあります。その「ミナミ」のルーツは1615年に道頓堀の南側に芝居小屋が立ち並び、花街が誕生したことにあるそう。大阪の町人衆が集い作り上げた街が今にその気配を残し、大阪の賑やかさを象徴するエリアとなっているのです。
一方の「キタ」は区で言えば北区、駅だと梅田駅や北新地駅周辺のエリア。実は「ミナミ」の難波駅から「キタ」の梅田駅までは、地下鉄で1本10分足らずと、「キタ」と「ミナミ」は隣接したエリアです。「キタ」のルーツもやはり江戸時代に花街として賑わった地域であるという点で「ミナミ」と同じ。ただ、「ミナミ」には町人衆が集ったのに対し、こちらは中之島や堂島に各藩の屋敷が並んでいたこともあり、どちらかというと武家が遊ぶ街だったと言われています。その後には堂島に米市場が設けられ、裕福な米商たちの宴席としても、賑わいました。

大阪キタに大人の社交場・北新地あり

そんな成り立ちをこの街は記憶に残しているのか、今も「キタ」の中心的な繁華街である北新地といえば、高級歓楽街として知られています。バー、クラブ、小料理屋、和洋割烹などの飲食店約3000店舗が集まる北新地はいわば、財界人から芸能人やスポーツ選手までが集うサロン。情報交換をしたり親交を深めたりする接待の街として、昭和平成令和と時代を経て続いてきました。
だから若者にとっては少々敷居の高い街なのかもしれません。大阪で育った方曰く「年長者に北新地に連れて行ってもらうとなると、大人の世界を垣間見るような緊張と好奇心とが混ざり合う心持ちになったものです」とのこと。

今も変わらぬ北新地らしい夜を味わう

最近では、北新地にも値段も雰囲気もカジュアルな店が増えていて、かつてほど敷居の高い街ではなくなっているようです。とはいえ、ワイワイ楽しむならば大阪らしい賑やかさを味わえるミナミがあるわけですから、やっぱり北新地で夜を味わうのであれば、しっとりと落ち着いた気分で過ごしていただくのがおすすめです。
静かなバーや、カウンターだけの小さな小料理屋、あるいは老舗のスナックやクラブ。きっと大阪・北新地らしい時間を味わうことができるでしょう。

記事の内容は掲載日 (2020年11月) の時点の情報です。

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