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料亭仕込みの料理×ドラァグクイーンのかけ算

北新地から東へ。同じキタエリアにありながら、北新地とはまったく違う街の雰囲気が漂う兎我野町 (とがのちょう)。今回は、そんなディープな歓楽街に店を構えて20年のダイニングバー「do with cafe」を紹介。ドラァグクイーンの顔を持つ店主は、板前やクラブマネージャーの経歴を持ち、自身の店は、これまでの経験を活かした唯一無二なスタイルに。店主の想いや店での楽しみ方をうかがってきました。

料亭での板前修業後、クラブマネージャーに転身

元板前の店主による創作料理をいただけ、さらにドラァグクイーンによるショーや接客も楽しめるダイニングバー「do with cafe」。

“cafe”なのにダイニングバー?

ダイニングバーでドラァグクイーン?

と、謎多き店に思いますが、「奇をてらったわけではなく、自然の流れなんです」と店主・Foxy-oさん。

今から30年近く前、大阪の調理師専門学校卒業後、料亭で板前修業を始めたFoxy-oさん。
「数年してから夜遊びにはまりだして。当時は、仕事が終わってから、ディスコやクラブに行って、寝ずに遊んでいましたね」(Foxy-oさん)。
そして好きが高じて、板前から、クラブマネージャーに転身することに。

「クラブマネージャーとして9年間働きました。10年目を目前に辞め、次に何をしようかと考えていた時、今の店があるこの物件が空いていると聞き、自分で店を開くことに決めたんです。クラブマネージャーを辞めてから1年後には、今の店を始めていましたね」(Foxy-oさん)。

自身が働いていたクラブが平日ダイニングバーとして営業していたこともあり、料理経験もあることから、自身の店もダイニングに。オープン当初はランチ営業も行っていたため、気軽に入りやすいよう“cafe”と名付けたそう。

「ドラァグクイーンのショーはオープン当初はやっていなかったんです。地下という立地もあり、一見さんに店を知ってもらいたくて、月1回、ドラァグクイーン仲間にママになってもらう日を設けたんです。それが好評で、毎週末やるようになって。最初はステージもなかったんですが、音響や照明をちょこちょこ買い足して、ショーができるまでになりました。平日もドラァグクイーンのショーを楽しめる今のスタイルになったのはオープンして3年後でした」(Foxy-oさん)。

料理やお酒を味わいながら圧巻のステージを鑑賞

ドラァグクイーンのショーが行われる店と聞くと、料理は二の次・・・と思われるかもしれませんが、こちらの店はあくまでも食事がメイン。

メニューにはだし巻き玉子や鰆の西京焼きなど、正統な和食もあれば、「クリームチーズの酒盗のせ」や「海老とブロッコリー・しば漬けマヨ和え」といった創作料理もあり。さらにはスタッフが以前タイに住んでいたことからガパオライスやタイカレーも並び、ジャンルレス。

Foxy-oさんは料亭で8年半みっちり修業しているだけあり、季節を感じる手書きのお品書きも見逃せません。

平日、ドラァグクイーンのショーは夜8時30分頃から開催され、ショーまでの時間は、ドラァグクイーンの方がテーブルにつき、接客してくれるのもお楽しみ。
ショーはドラァグクイーン3名それぞれが約5分のパフォーマンスを披露し、最後には3名によるトークも。

ステージは、ショーパブノリでもっとおちゃらけたり、ウケを狙ったものかと思いきや、ダンスもキレキレで、うっとり見とれてしまうほどのかっこよさ。

ドラァグクイーンのカルチャーを気軽に体験

ゲイカルチャーとして広まったドラァグクイーンですが、高いパフォーマンスから今やジェンダー関係なく楽しめるエンターテイメントに。

実際、女性客も多く、外国人ツーリストが来店することもあるそう。

本格的なドラァグクイーンのショーラウンジやイベントに行くのはハードルが高いですが、ドラァグクイーンのカルチャーに触れてみたいという人や旅の思い出に楽しく食事を楽しみたいという人にぴったりの場所と言えます。

記事の内容は掲載日 (2025年2月) の時点の情報です。

INFORMATION

do with cafe

大阪市北区兎我野町9-23 聚楽ビルB1
日〜木 5:00 pm - 0:00 midnight
金、土、祝前日 5:00 pm - 3:00 am

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